始祖鳥と言えば、しばらく前までは鳥類の祖先として教科書にも載っていたのですが、最近、どうも違うらしいということがわかってきたのです。
では始祖鳥とは何者なのでしょうか?調べて行きましょう。
始祖鳥は鳥の祖先なのか
まず、始祖鳥とは現生鳥類の祖先と思われた生物の日本での俗称で、単に始祖鳥といえばアーケオプテリクスのことを指します。
アーケオプテリクスはジュラ紀の後期に生息していたとみられる生物で、恐竜の分類でいえば鳥目、古鳥目、アーケオプテリクス類になります。
アーケオプテリクスが鳥の直接の祖先かといえば違うということがわかってきています。
始祖鳥と鳥の共通点とは、始祖鳥は鳥類の祖先なのか
始祖鳥、アーケオプテリクスは現代の鳥と同じ様に、嘴、羽、尾、脚を持ち全身が羽毛で覆われています。これが現在の鳥との共通点です。
では相違点はというと、歯を持っていること、鳥の嘴の中には歯はありません。
2つ目に前脚に指があること、本来の鳥類の前脚は完全に翼になっています。アーケオプテリクスはこの指があることで木を掴むことができました、後ろ足の親指が前向きについているのも木を掴むためだと考えられています。
3つ目は尾に骨があることです。現在の鳥類に尾に骨はありません。
1859年に「種の起源」が出版されダーウィンの進化論が提唱されます。
進化論において始祖鳥、アーケオプテリクスの重要性に気づいた研究者達は始祖鳥、アーケオプテリクスを最古の鳥類と位置づけました。そして鳥は恐竜から進化したものではないという論調が数十年続いていきます。それはアーケオプテリクスが発見された当時の恐竜には鎖骨がなく鳥は恐竜の子孫ではないとされていきました。
しかし、1973年にジョン・オストロムが鎖骨がある恐竜ドロマエオサウルス類を発表し鳥類は恐竜の子孫ではないという説は覆されます。さらに近年になると中国から鳥類の親戚ともいえる羽毛恐竜が数多く発見され鳥類は恐竜の子孫であるということがほぼ認められました。
始祖鳥は、アーケオプテリクスが現在の鳥の祖先かといえばそうではないという考えが一般的です。アーケオプテリクスは恐竜から鳥類に進化する間の生物と考えられていて、始祖鳥、アーケオプテリクス以前に別の進化を遂げた恐竜が現生鳥類の直接の子孫だと考えられています。
始祖鳥、アーケオプテリクスが現生鳥類の直接の祖先ではなくても恐竜と鳥類をつなぐ役割をしていることに間違いはありません。
まとめ
始祖鳥、アーケオプテリクスが鳥の直接の祖先ではないということがわかりましたね。
恐竜と鳥類をつなぐ一つの種族でした。これか先の研究で恐竜と鳥類の関係がはっきりしていくでしょう。