鳥のご先祖と言えば始祖鳥を思い浮かべる人も多いでしょう。教科書に出てくるので知っている方も多いと思います。最近では始祖鳥は鳥の直接の祖先では無いということも解ってきました。
では始祖鳥は何故、絶滅してしまったのでしょうか?調べてみたいと思います。
恐竜絶滅と始祖鳥
始祖鳥が発見された地層はジュラ紀の地層といわれています。ジュラ紀は2億年~1億4千5百万年前の地球を指します。このジュラ紀において恐竜達の大量絶滅は起こっていないとされ恐竜が一番栄えていた年代とも言われています。
この恐竜時代は1億4千5百年前~6千6百万年前の白亜紀まで続きます。白亜紀で恐竜は大量絶滅をおこして地球上から姿を消しますが、大量絶滅の原因は、隕石衝突説、火山活動活性化説、海の酸性化説、地磁気消滅説、二酸化炭素濃度減少説、植物の変化説、地球寒冷化説等、色々ありますが多くの恐竜がいなくなってしまったのは事実です。
始祖鳥はいついなくなってしまったのか?
やはり始祖鳥も白亜紀の大絶滅でいなくなってしまったのでしょうか?
もちろん白亜紀の大絶滅まで始祖鳥が生き残っていたとしたなら大絶滅に巻き込まれたことは間違いないでしょう。しかしジュラ紀から白亜紀までは7千9百万年の差があるのです。
1992年に中国で新たな鳥の化石が発見されました。中国では始祖鳥に次ぐ次世代の鳥の化石が相次いで発見されています。中国の東北地方に始祖鳥の時代から1千5百万年後の白亜紀初期の地層が残されています。かつてこの土地には亜熱帯の気候に包まれ大きな湖の傍らにシダやソテツの森が作られていました。その森に新しく進化した鳥がいたのです。
中国の鳥という意味でシノルニスと名付けられたこの鳥は10cm程度の大きさでした。始祖鳥に比べると歯は小さくなり、翼の3本の鉤爪も短く尻尾の骨は退化してほとんどなくなっています。
最も注目するべき点は胸の骨が発達していたことと空洞になった骨を持っていたことです。発達した胸の骨にはより強力な筋肉が付き、空洞化された骨には気嚢(きのう)という鳥には欠かせない器官が入っていたと考えられます。気嚢(きのう)は肺とつながっていて空気中の酸素を最大限に利用し大きなエネルギーを作り出せる器官です。シノルニスの中で進化の営みは確実に進められていきました。
つまり始祖鳥は絶滅したのではなく新たな鳥に進化していき始祖鳥は淘汰されていったのではないでしょうか。そう考える方が自然ですね。
まとめ
始祖鳥は絶滅ではなく進化していき淘汰されていったと考えた方が自然ではないかということがわかりましたね。
今、中国では新たな恐竜の化石が相次いで発見されていますので、研究が進めばまた新しいことがわかるかもしれません。