皆さんは始祖鳥というと何を思い浮かべますか?化石を思い浮かべますか?始祖鳥というくらいだから鳥を思い浮かべますか?

絶滅した動物は残念ながら化石から生きてきた時のことを想像するしかありませんが最近の科学によってだいぶ詳しくわかるようになってきました。今回は始祖鳥と鳥の違いについて見ていきたいと思います。

始祖鳥と鳥類の違いについて

まず始祖鳥という日本語ですが、これはアーケオプテリクスという生物の化石を指して始祖鳥と呼んでいることが多いです。アーケオプテリクスの仲間も指して始祖鳥属と呼ぶこともあるようです。始祖鳥といえばアーケオプテリクスで間違いないと思いますのでアーケオプテリクスと鳥類の違いを見ていきたいと思います。

始祖鳥 鳥類 違い

アーケオプテリクスの大きさや概形はカササギに近く体長は大きくても50cm程度です。前足に羽が並んで幅広で曲線的な翼を形成し後ろ足の基部には羽を密生するが脚の半ばからは羽は生えていません。

鳥と大きく違う点は鋭い歯を備えた顎を持つ点、鉤爪のある3本の指を持つ点、そして長い尾部に骨を持つ点などが明らかに異なっています。

姿形は鳥に似ているアーケオプテリクスですが細かく見ていくと鳥類と違う点がまだあります。アーケオプテリクスの胸骨や(胸筋の起点となる)竜骨突起を欠くことは、アーケオプテリクスの飛翔能力がさほど高くなった事を示しています。

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アーケオプテリクスはまた肩甲骨、烏啄骨、上腕骨の各部を連結する肩関節窩が横を向いていることは、アーケオプテリクスが翼を背面まで持ち上げられなかった事を示しています。

羽ばたき飛行が可能な現生の鳥類では肩関節窩は背側に向いており、打ち上げ時には翼を背面まで持ち上げています。したがってアーケオプテリクスは現在の鳥類と同じ様には羽ばたけなかったと考えられています。ただし、翼を打ち下ろして滑空を行っていたことはできたであろうと考えられています。

まとめ

始祖鳥、アーケオプテリクスは歯があり顎を持っています。そして鉤爪の付いた指があります。尾には骨があります。この3点が始祖鳥、アーケオプテリクスと現在の鳥類との大きな違いです。

まだ完全な鳥にはなりきれていなかった進化の途中の鳥が始祖鳥、アーケオプテリクスではなかったのではないでしょうか。

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