パラサウロロフスは実のところそれほど多くの化石が見つかっているわけではないですが、ほぼ全身の化石がいくつか見つかっていて、日本国内ではその全身化石のレプリカが展示してあるところもあります。
では、そんなパラサウロロフスの化石とその特徴についてご紹介します。
パラサウロロフスの化石から分かること
現在まででカナダのアルバータ州からと、アメリカのユタ州、ニューメキシコ州でパラサウロロフスの化石が見つかっています。
その数は決して多くはなく、ハドロサウルス類に属する恐竜の中では最も生息数が少なかったのではないかと考えられており、群れではなく単独で暮らしていたのではないかと言われています。
長い特徴的なトサカは、一説には鳴き声の増幅の役割を果たしていたとも考えられ、低い大きな声をこのトサカから発していたのではないかともいわれています。これは肉食動物には聞き取りづらいとされ、仲間を呼ぶのに役立っていたのではないか、と思われます。
胴体は背が高かったので、長い消化器官をその腹腔に収めていたとされます。脊椎は口が下向きになるように山なりにカーブしており、腰から尾の背骨の骨が大きいです。尾の下側の骨もやや長めなので、後ろ半身全体が縦に平たかったと思われます。
主に地表に生えている植物を、そのくちばしではさみ取るように食べていたと考えられています。また歯の形状から割と硬いものも食べられたのではないでしょうか。
2009年にユタ州の7500万年前の地層から発見された「ジョー」と名付けられたパラサウロロフスの化石は、推定年齢が1歳未満と考えられていますが、それでも2メートルに達しており、成長速度が早かったのではないかと言われています。
トサカの成長は大人の全長の1/4になった頃からで、鳴き声は成体よりも声が高かったので、親とのコミュニケーションに役立っていたと考えられています。
まとめ
草食恐竜というと、映画などで再現を見る限りだと現代の草食動物と同じように群れを成しているシーンがあったりもするので、単独で暮らしている種類があるのは意外だったかもしれません。
過去にも水陸両生が否定されていたり、それまで発見されていた恐竜よりもパラサウロロフスに近い種類が発見されたりと、幾度となく論争が繰り広げられている恐竜でもあります。
個体数が少ないのか、それともたまたま見つかっている化石が少ないからなのかは分かりませんが、もしかしたら発見次第でまた大きく変わるかと思うと、今後の発掘や研究に注目したいです。