パラサウロロフスは、そのカモノハシのような顔から「カモノハシリュウ」とも呼ばれる恐竜の一種で、イグアノドンやヒプシロフォドンなどと同じく鳥脚類を代表する草食恐竜です。
同じ仲間の恐竜と比べても気になるのがその特徴的なトサカ。
あの長いトサカは一体何なのか、そもそもパラサウロロフスとはどんな恐竜なのか、合わせて紹介していきます。
パラサウロロフスは大型の草食恐竜
パラサウロロフスは白亜紀後期(約1億4500万年前から6600年前)の北米に繁栄していたとされる、体長10メートル、推定体重2.5トンの草食恐竜です。
カーブを描き後方へ伸びるシュノーケルのようなトサカが特徴ですが、これは鼻の骨の一部が変形したもので、成長していくにつれ伸びていくと考えられています。このトサカの長さは長く、口先からトサカの先までは1.8メートルにも達しました。平均的な日本の成人男性が約170センチですから、それより長いことになります。
また、このトサカの形状から、発見された当初は空気ボンベやシュノーケルのような役割を果たすと考えられ、水陸両生だと提唱されていました。ですが、鼻孔はトサカの根本にあることと、体に対し体積が少ないことから後に否定されています。
現在は、この突起は拡声器のような役割を果たすのではないか、あるいは形状や色彩の違いで仲間や異性を見分けるためではないかと考えられています。
口の先端には歯がなく、口の奥に小さな歯が密集している「デンタルバッテリー」と呼ばれる構造をしており、先端からすり減っては抜け落ちて奥から新しい歯が生えて交換される仕組みを備えていたとされています。
この歯は上下から植物をすりつぶしていたと考えられており、また顎の構造も開閉するだけではなく複雑な動きも出来ていたといいます。
重心は胴の中心でなく腰にあり、パラサウロロフスは二息歩行と四足歩行を使い分けていたと考えられています。
前肢は後肢と比べると細くて短く、後肢は長く発達し走るのに適していました。敵と遭遇したときにはその脚で走って逃走していたと思われます。
体重も推定で2トンを超えているとなると、現代でいう象のように、大きさと重さを武器に中型の肉食恐竜くらいなら追い払っていたかもしれませんね。
まとめ
パラサウロロフスはその口許とつぶらな瞳がなんとなく愛嬌のある恐竜ですね。カモノハシに似ているので、もしかしたら水生の恐竜かもしれないと言われていたのはちょっと分かる気がします。
それにしても、トサカだけでも人間一人分の長さはあるとなると、本当に恐竜の世界はスケールが違うなとしみじみ感じてしまいます。